★若草子どもまつりでの、暖かなまなざしと
たくさんのたくさんのご声援、ありがとうございました。
2月15日(金) 、16日(土)は一年の中でも、大きな行事であります「若草こどもまつり」が、無事終了致しました。今は、子ども達も保育士達も、ホッとしているところです。
子どもまつり当日は、大勢の皆様が、2階ホールにて鑑賞なさいますため、色々な面におきまして、たくさんのご不便をお掛けしたことと思います。ここに、お詫び申し上げます。
にもかかわらず、皆様がそれぞれに譲り合ってご鑑賞くださいましたお陰で、子どもまつりを滞りなく進めることができました。皆様のご協力に深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
また、若草子どもまつり終了後に、保護者の皆様のアンケートを出させていただきました。
たくさんのご解答をいただきまして、重ねてお礼申し上げます。
子どもまつりへの、ご意見・ご要望などは、また来年度の課題とさせていただきます。
子どもまつりを終えて、色々なことを考えさせられ、感じたことがありました。
まず一つめ、アンケートを拝見させていただき、考えたことです。
アンケートより、改めて、保護者の皆様の色々なお考えを知ることができました。
たくさんのご意見の中に、「そこまで、練習させなくてもいいのでは・・・と思いましたが、本番をみて感動しました。」というものが、いくつかありました。
そのような書き込みのアンケートを見ますと、保護者の皆様の思いもわかるような気が致します。
練習期間中の子ども達の様子を見ているだけですと、「大丈夫かしら?」 「 一体どんな練習なのかしら? 」と心配ばかりが先にたってしまうのでしょう。でも、本番の子ども達の姿を見て、「あ〜、こういうことだったのか・・・」 「これが苦手だったんだ・・・ でも、出来るようになって、うちの子はえらい、えらい!」 と、ようやく納得がいき、わが子のがんばりに、エールを送ったのではないでしょうか。
子ども達が、毎日の練習に、ベストコンデイションで臨めるということはありません。それは、大人であっても同じ事です。「今日は気がのらないな〜」と思いながら、出勤するということは、ありますよね。私自身を考えても、身に覚えがあります。
子どもならば、なおさらでしょう。そして、「気が乗らない」「嫌だな〜」「練習したくないな〜」と思えば、登園を渋る日もあると思います。
また、歌が覚えられない、大きな声でセリフを言うのが恥ずかしいなど、自分にとって苦手意識をもっているものがあれば、登園時に泣いて、自分の気持ちをわかってもらおうとする子もいると思います。それは、子どもならば、当然の姿です。
もちろん、それぞれのクラスの保育士達は、そういう子ども達に、いろいろな関わりを試みて、子ども達の「やりたくない!」気持ちから、「やろう!」という気持ちに変えて、子どもまつり本番へとつなげていくわけなのです。このように、毎日の保育士とのやり取りの中で、子ども達の心の中の、苦手意識を克服して、「頑張ろう!」という気持ちが育っていくのだと思います。
それは、実際に、一緒に活動している当事者のみが知ること、子ども達と保育士との心のキャッチボールのようなものなのだと思います。こういう関わりを通して、子ども達と保育者の間に更に強い絆が出来ていくのです。
でも、お父さんやおかあさん達にとって、登園時に泣く姿や、登園を渋る姿を見ると、「一体、どういう練習なのかしら?」「泣くまでするような練習なのかしら?」と、心配に思う気持ちの方が強くなってしまうのは、無理もないことだと思います。そういうお家の方の心配を少しでもなくすように、私達は、もっともっと保護者の方とコミュニケーションを取らなくてはいけないと思いました。
子を思う親の気持ち、「我が子を強くしたい。」「プレッシャーをはねのける子になってほしい」と願う親の気持ちは、私達以上に強いのですから・・・・・・
私達が、丁寧に説明してお話することで、きっと理解していただけるのではないかと思います。
次に二つ目に感じたこと・・・・
若草子どもまつりの第1日目、祖父母の皆様にご鑑賞頂いた時、最初に「インゲン豆」の話しをさせていただきました。私は、子育てについて話すとき、この「インゲン豆」の話しを例えとして出させてもらうことが多々あります。それはこの例えが、どの方にもわかり易く、素直に納得していただけるように思うからなのです。ここで、再び紹介してみたいと思います。
名古屋大学大学院 人間情報学研究科の実験結果のお話です。
自然に育ったインゲン豆のつるは、右巻きでそれが標準だということでした。
そのインゲン豆のつるをまっすぐに矯正して育てた場合、標準に右巻きにした時より、1.5倍の収穫があるそうです。
更にそのインゲン豆のつるを、無理矢理に、左巻きにして育てた場合、その収穫は、標準の時の2倍になるのだそうです。学問的には、左巻きの刺激で、インゲン豆に過度な刺激が生じ、光合成などの代謝系が活発した為と考えられる、とのことでした。
このことを、現代の子育てに置き換えてみますと、
現代の子育ては、子どもの人格を尊重する考え方が主となっています。その育て方がいってみれば標準ということかもしれません。しかしその子どもの人格を尊重しすぎて、子ども中心の子育てになりすぎているのではないでしょうか?
そして、子ども中心の子育ての中で、どのくらいのがまんや、根気力、集中力をつけさせることができるのだろうか・・・・・ と考えてしまいます。
小学校で、1時限が我慢できずに席を立ってしまう子が多くて授業が出来ない、また、先生の話しを集中して聞く事が出来ない子が増えてきているということも、よく聞くようになりました。
特に、小学校1年生になったばかりのころは、学習よりも、まず基本的な生活習慣をしっかり付けさせる事が先決ということでした。まずは、じっとしていられるようにすること、集中して座っていられるようにすること、人の話をしっかり聞けるようにすること・・・・。 このような行動を身につけるようにしてから、9月ごろに、ようやく落ち着いた授業ができるようになるという、今の子ども達の姿のようです。
こうして考えますと、やはり幼年期の育ち方はとても重要なのです。
要するに、保育園での色々な体験、特に子どもまつりの前の練習は、まさしくインゲン豆を無理矢理左巻きにした時のことなのです。
こんな話をさせていただいた時、若草子どもまつりをご鑑賞くださったある祖父母様が、 「刺激を与えた方がいいんだな〜」と大きくうなずいて聞いてくださいました。きっと、お孫さんの成長した姿をご覧になり、納得してくださったゆえの感想なのだろうと、嬉しく思いました。
つぎに、三つ目にかんじたこと・・・・
この若草子どもまつりは、子ども達の成長した姿を、保護者の皆様に、是非ご覧頂きたいという思いがあります。「お家の人に見てもらう」という子ども達の思いはもちろんなのですが、保育士も、子ども達に負けないぐらいに、「子どもの成長ぶりを見ていただきたい」という強い思いがあります。
それは、4月に、それぞれのクラスに進級した子ども達と共に、泣いたり、笑ったり、困ったりして過ごした毎日があり、また、色々な楽しくて嬉しい体験、辛くて苦しい体験を通して、子ども達が確実に成長をしているという、確かな手ごたえがあるからなのです。
そして、子どもまつりのような行事に取り組むことで、子ども達には、無限の可能性があること、その可能性に光をあてることで、子ども達はどんどん伸びていくこと、やればできる子ども達であることを、再認識させられるからなのです。
子どもの可能性って、やっぱりすごいなと思うからなのです。
子どもまつりが終わった後、6時過ぎの遅番保育をしている部屋の中から、こんな子ども達の声が聞こえてきました。
「淋しいな、淋しいな・・・ 友達ほしいな!」「そうだ、友達に会いに行こう」「おーい、帰ってきたよ〜」「友達っていいな!」・・・・ これは、3歳児が子どもまつりで演じた「ニャンコ王子とニャンコ姫」の中のセリフです。子ども達が、劇中のセリフを言い合って遊んでいたのです。
自由遊び中で、子ども達の中から、自然に発生した劇ごっこ遊びなのでしょう。
そんな子ども達の姿を見て、私はとても嬉しくなりました。
大人は、子どもまつり本番に演じたことで、やれやれ終わったと思うものですが、子ども達は違うのですね。実は、子ども達にとって、子どもまつり終了からが、始まりなのかもしれません。
みんなの前で演じることのおもしろさや友達と一緒に演じることの楽しさを知り、思わず自然に遊びの中でも、劇遊びが始まってしまう。思わず、歌ってしまう。踊りたくなってしまうなんて・・・・・
とても、素敵なことだと思います。
私は、子どもまつりという行事を通して、歌を歌うのが好き、劇が好き、踊るのが好き、という子ども達が増えてくれたら嬉しいと思っています。そして、「好き」という思いを大事に育てていきたいと思います。その「好き」という思いを大人になっても持ち続けてくれたら、その人の人生はとても豊かになるのではないでしょうか?
子ども時代にたくさんの「好き」に出会えるように、提供していく(変な言い方ですが)ことが、私達保育士、大人の役目でもあると考えています。
これからも、たくさんの 「好き」 になるものを、体験させてあげたいと思います。 |